空人の場合:一日目【戦闘】

今日の空人:【戦闘】

廃棄されたコンビニを探索、収穫はなく出ようとするがなぜか外が暗い・・・? 

いや違う、窓にべったりとゾンビたちが密着しているのだ! 

9のダメージ! 食糧:-2

HP:100→91

食料:100→98

持ち物:なし

状態:なし

クリアフラグ:なし 


 

 私の目は呪われている。見た者を殺してしまう能力を持っていた。だから普段は包帯でこの目を覆っていたのだが、こんなことになってしまっては生きている人間に出会う方が珍しいと考え、思い切って包帯を外していた。とは言ってもばったり出会ってしまったら相手が可哀想なので、包帯は緩めた状態で首元に落とし、かつ常に下を向いて行動することにしている。お陰で首が痛いのだが。

 そういえば、ゾンビとは一体どんな色をしているのか。この呪われた目に映る色は黒と白と赤しかない。私の中にあるゾンビのイメージは灰色と緑色なのだが、どうなのだろう。誰か生きている人間に出会ったら聞いてみることにしよう。

 随分とお気楽なことを考えながら私は生きていた。

 

 

「人がいないっていいなあ」

 そんなことを呟きながら無人のコンビニを探索していた。視線は常に足元に向けつつ商品棚を物色する。しかしそこにはほぼ食料はなかった。騒動が始まった初日に誰かが掻っ攫ってしまったのだろう。

「雑誌なぞは持って行っても荷物になるだけだし……これからどうしたもんか」

 ふぅと息を吐いて、手にした週刊誌を棚に戻す。日が落ちたのか足元は暗い。食料はないが、寝床には良さそうだなと思って顔を上げた。

「うわぁ」

 間延びした声が出た。

 日が暮れたのではない。目の前にある窓ガラスに大量のゾンビがびっしりと張り付いていたのだ。それが日光を遮っている。

 そしてそいつらの一人と目が合った瞬間、頭部が破裂して後ろへぶっ倒れていった。やはりゾンビ相手でもこの呪いは発動するのか。

「うーん。出た方がよさそうだな」

 こんなに集られてしまっては入り口もいつ突破されるか分かったものではない。手遅れになる前に退却しよう。

 入り口のドアが自動ではなく、引き戸で良かった。まずそこに貼りついているゾンビと目を合わせ、倒していく。全身の骨が折れていく者。突然自分の首を掻き毟る者。隣にいた仲間に食らいつく者。

 ある程度片付いたところで一気にドアを押し開けた。そして走る。

 だが、私はスタミナもスピードも自信がない。何匹かのゾンビが追い縋り、コートを掴む。その度に目を合わせて殺し、また走る。

 

 

 それを繰り返して振り切った頃には全身が汗でびっしょりと濡れていた。

「ぅえ、ゲホッ! こ、このままでは風邪を引くな。屋外で休める場所を探さねば……」

 汗が引いたら体温が下がる。それにこの寒い時期に野宿は勘弁願いたい。

「風呂に入りたい」

 そんな女子のような文句を言いつつ、私はまた街を彷徨うのだった。

                       

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