夕の場合:一日目【アクシデント】

食料庫発見、だが大量のゾンビがそばにいる!

今が12~23時なら抜け穴を発見し、食糧+5。

それ以外ならゾンビに襲い掛かられ8のダメージ!

 (2014/01/11 01:02)

HP:100→92

食料:100

持ち物:なし

状態:なし

クリアフラグ:なし

 

 


「ったく、せっかく発見したのにこれかよ……」

 木の影に身を隠して舌打ちを漏らす。食料庫らしきものを見つけたはいいものの、その周囲には大量のゾンビが徘徊していた。

 時間は午前一時。そろそろ就寝しないと明日の行動に支障が出てしまう。だが手持ちの限られている食料は果たして何日持つのかも不安である。

「何でこうなったかなあ」

 寒さで震える体を抱き締めた。冬用のコートを着ているとはいえ、夜は冷える。そういえば今夜の寝床はどうしたものか。今日も野宿になるだろう。自分のベッドが懐かしい。

 小さな風が木々を揺らした。寒さで体が震える。ついでに頭の中に棲みつく温い考えを振り払った。

 もう一度木陰から食料庫を覗き見ようとした時、耳元で生臭い息が吹きかけられた。

「ひっ――」

 いつの間にか真横にゾンビがいた。今にも掴みかからんと手を伸ばしている。その腕を躱し、辺りに目を向けると食料庫付近にいたゾンビたちがこちらへ向かってきていた。

 慌てて踵を返して駆け出す。遠くの食料より目先の命の方が大事だ。湿った木の葉を踏み締める。冷えた空気が喉を焼く。痛い。苦しい。けれど死ぬよりはマシだ。

「何、で! ちくしょうっ、こんな、ハッ、はぁっあ!」

 濡れた葉で足が滑り、勢い良く地面に倒れこんだ。振り返るとゾンビの姿は見えなかった。どうやら撒いたらしい。

「いってて。くっそぉ……嫌だなあもう」

 よろよろと立ち上がり、歩き出す。泣き言を言っても仕方がない。けれどやはり一人の夜は心細かった。

 そういえば、自分の周りには常に誰かが傍にいれくれた。家族、養成所の仲間、所員たち。

「みんな、大丈夫、だよな」

 冬彼、七、憐不、空人。俺が所長をしている万事屋『O.K!』の所員たちだ。

「大丈夫だ。みんな強い。絶対生きてる。大丈夫、大丈夫……」

 呪文のように唱えながら今夜の隠れ家を探して彷徨う。傍から見たらその姿はゾンビのように見えてしまうだろうか。ほんの少し、苦笑が漏れる。

 時計を見るとあれからまだ三十分ほどしか経っていない。夜はまだ長そうだ。